こんにちは。
ただでさえ玄人臭を撒き散らす爬虫類の中でも、さらに異彩を放つカメレオン。
こんなカメレオンに興味を持たれたアナタは、まさに漢(おとこ)の中の漢(おとこ)。
暑苦しい漢たちとカメレオンという、世間の浮わついた女子供たちが喜ぶかわいいブームなどとは真逆を行く道は修羅の道よ。
そして世のカメレオン好きたちを唸らせる、これまた修羅の如きカメレオンが姿を現した。
それが「ミクロヒメカメレオン」。
果たして、その姿やいかに!?
世界最小のカメレオン、ミクロヒメカメレオンとは!?
暑苦しいカメレオン好きの屈強な漢たちを唸らせるカメレオンとは、いかほどのものなのか。
世の「カワイイ」ものなど、一笑に付す者たちぞ。
そしてこれがウワサの「ミクロヒメカメレオン」の姿である。
か、かわいい…(●´∀`●)
なんだ、この姿は。
まるで荒野に咲く一輪の花のごとく可憐で、それでいて芯を曲げぬ強さ。
そしてそこに漂う気品。
これでは漢たちが虜にされてしまうのもやむ無しである。
このミクロヒメカメレオン、体長のほどは最大でも3センチに満たない。
手の爪と同じくらい程度のサイズだ。
<出典:芭蕉blog>
オスにいたってはさらに小さく、マックスでも1.6センチほど。
現時点では、世界最小のカメレオンにして世界最小の爬虫類である。
本種はインド洋にぽっかりと浮かぶ島、マダガスカルにある孤島の森に生息している。
マダガスカルといえば、豊かな森が多く残っており、とりわけ多様なカメレオンが住んでいることで知られる。
昼間に活動し、落ち葉とか腐葉土の上を歩いてエサとなる虫を探す。
夜になると木の枝を10センチ程度上り、そこで眠る。
これだけ小さいと、生活もミクロである。
風が吹けば煽られ、雨が降れば溺れ、巨大な虫が通れば跳ね飛ばされる。
そんな姿がまた我々をほっこりさせるわけだが、本人たちは必死である。
想像してみてほしい。
鋼鉄の肉体に身を包む、修羅道を極めし漢がこのカメレオンを指先に乗せ、雪をも溶かす温かい眼差しを向ける様を。
「おあぁ〜っ…カメレオ〜ン…」
誰得だろうか。
屈強な漢の鋼鉄の精神を豆腐のように軟化させてしまうミクロヒメカメレオン。
恐るべし。
なんという業の深きカメレオンだろうか。
まさに修羅道とはこのことよ!
なぜこんなに小さいのか?
このミクロヒメカメレオン、なぜこのようにミクロな存在へと進化したのだろうか?
あまりにミクロすぎて、不便なことの方が多そうである。
<出典:194mac.jp>
このカメレオンが住むのはマダガスカルの孤島。
島ゆえに、食料や生活環境がかなり制限されている環境だ。
そこで生き残っていくために、
必要なエネルギー量を減らしたり捕食者の目から逃れるために体を小さくする者がいるという。
それがミクロヒメカメレオンだったのだ。
体を極端に小さくすることで、必要エネルギー量を最小限に留め、性成熟を早める。
そして敵に見つかるという不要なリスクを避ける。
これを「島嶼化(とうしょか)」という。
※島嶼化は、逆に体を大きくする場合もある。そのへんは動物の種類とか環境による。
これぞ生存競争を勝ち抜く知恵。
その小さな体の中には、生き抜くためのしたたかさと力強さが詰まっていたのだ。
次ページ、飼育は可能なの?