こんにちは。
数あるサメの中でも、一風変わった特徴を持つネコザメ。
ネコ好きとサメ好き、両方の需要を満たすこのサメが注目されるのには理由がある。
なぜなら、ネコザメはあまりにも異形なアレを持っているからだ。
およそサメとは思えぬその姿形から、ロマンをくすぐられる漢たちが続出しているという。
果たしてネコザメのロマンとは、どんなロマンなのか。
ロマンを求め、今日も漢は1人ブログを書く!!(さみしい)
ネコザメの卵が完全に◯◯だった
まるでネコ耳のような突起(名前の由来)と丸っこい頭がかわいいネコザメ。
こんなビジュアルのネコザメが、とてつもなく似つかわしくないアレを生み出すという。
それが、コレだ。
<出典:Gooブログ>
完全にドリルである。
鋭利な巻きグソではない。
「ネジ型」とも形容されることがあるようだが、
完全にドリルである。
まるで人工物のような形と質感。
海底にこんなモノが落ちていたら、船から脱落した部品の一部かと疑いかねない。
昔々、小学生時代の友人でチ◯コがなぜかドリル型の皮を被っていたことから
「ドリチン」と名付けられた哀しい宿命(さだめ)を持つ漢のことを思い出した。
だがしかし、こんなドリルをネコザメが生み出すというのだ。
一体何のためだ。
そういえば聞いたことがある…。
「ドリルは漢のロマン」
という言葉を。
武装に困ったとき、とりあえずドリルにしておけば漢は喜ぶという神話の存在を。
だがネコザメが漢のロマンを理解できるはずがない。
ヤツが生み出すドリルとは…。
ドリルの正体は卵。
そう、このドリルはネコザメの卵なのだ。
魚卵といえば丸型と相場が決まっているはずだ。
どこの世界にこんな逞しくドリッてる卵を産むヤツがいる。
かわいいネコザメが逞しいドリルを産むという妙な背徳感に苛まれながらも、
ドリルの謎について探ってみた。
母ザメは、このドリル型卵を一度に2個ずつ産卵する。
だいたい合計で10個前後の卵を産む。
産卵時は卵は柔らかいけど、産んで時間が経つと硬くなり黒くなるという。
産卵した母親は卵を咥えて、岩の間とかにムギュッと押し込む。
その状態で卵が硬くなることで、岩から抜けなくなる仕組みだ。
そうすれば卵が流されることも無いし、外敵に食べられる可能性も低くなるというわけである。
卵生の生物にとって一番無防備で危険な状態が卵。
その卵をこのように硬質なドリルと化すことで、孵化する確率を限界まで高めているのだ。
普通、卵生の魚といえば大量に産んでそのほとんどが食べられるわけだが、ネコザメがせいぜい10個程度の産卵数で事足りるのはそーゆーことなのである。
これがドリルの真実。
なにもロマンを追い求めるためのドリルなどではなく、少しでも生存確率を上げるための合理的なドリルなのだ。
ネコザメの歯、生態について
ではこのドリタマ(ドリルの卵)を産むネコザメとは、どんなサメなのだろうか。
サメといえば尖った口とギザギザの歯を思い浮かべるが、ネコザメは当てはまらない。
そう、ネコザメのもう1つの特徴がその口にある。
ネコザメの口の画像がこちら。
<出典:つぶやき – はまぞう>
( ・ω・ )に似ている。
口にある妙な形状の歯にお気づきだろうか。
<出典:フォト蔵>
このように、ネコザメの歯は奥歯が臼歯状になっていて、堅いものを噛み砕くことに特化している。
ネコザメはサザエとかウニ、甲殻類といった堅い海洋生物をエサとしているため、ソイツらを噛み砕くためにこんな歯に進化したのだ。
このことから、ネコザメは別名「サザエワリ」とも呼ばれる。
貝をガジガジかじるネコザメ↓
ただし水族館では、食べやすい魚の切り身がエサとして与えられるためにサザエの食べ方を忘れるという残念な結果になることもある。
ぬるま湯に浸かり続けるとこうなるという好例である。
ネコザメは太平洋の温暖な海に広く分布。
日本沿岸でも見られる。
浅い海の海底で主に生活。
夜行性で、性格は温厚。
体長は成長すると1メートルを超えるのもいる。
背びれにトゲがあって、外敵から身を守るのに役立つ。
繁殖期は3月から夏ころまでで、ドリル型卵を産んで1年近くしてから孵化する。
ネコザメは英語で「ブルヘッド・シャーク(ウシ頭のサメ)」と呼ばれる。
頭の突起がウシのツノに見えることから。
方やネコ耳、方やウシのツノと感性が違う。
ちなみに英語のキャット・シャークは日本では「トラザメ」で、ネコザメとは完全に別種。
感性が違う。
飼育も可能
実はこのネコザメ、個人でも比較的簡単に飼育ができるという。
自然界では成長すると1メートルを超えたりするけど、飼育下ではせいぜい70センチくらいまでしか大きくならないそうで、しかもそんなに活発に動くサメでもないのでそんなに大掛かりな水槽もいらない。
(大きい方がいいけど)
ネコザメ単体も、ペットショップとかで販売されてる。
値段は3000〜5000円くらいかな。
海水魚の飼育方法とか、水温・水質の管理がちゃんとできればそんなに飼育は難しくない。
性格も大人しいので、観賞魚としても優秀。
ただし、堅い貝を砕く歯で指でも噛まれると骨ごとバキバキにされる恐れがあるので取扱い注意。
あと背びれのトゲもね。
はい、以上でした。
地方によっては食用にされることもあるってね。