こんにちは。

 

東京は目黒、都会の真ん中に佇む魅惑の花園。

そこで人々が目にするものは、目くるめく謎と神秘の世界である。

 

その世界の名は「目黒寄生虫館」…。

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そこでは恐ろしく、妖しい魅力を持った数々の寄生虫たちが我々を出迎えてくれるという。

 

このたび私めは、念願叶ってこの禁断の地へ足を踏み入れた。

それも我が最愛の嫁を連れて、である。

 

断っておくが、これは決して嫌がる嫁を無理矢理連れて行き、

 

「ぶおあぁ、これがサナダムシだぁ!

これが腸の中にいる気分はどうだ?ん!?」

 

という寄生虫プレイをしに行ったわけではない。

 

あくまで己の寄生虫に対する知見を深め、生物の多様性をこの目で垣間見ようという、知的好奇心の表れであることをご理解いただきたい。

 

そしてあわよくば嫁にこの神秘の世界の体験を通じて、寄生虫という大いなる存在への理解を深めてもらおうという、いわば啓蒙活動なのである。

 

そこには高尚な思想があるのである。

あるのである。。

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目黒寄生虫館の寄生虫(サナダムシとか)たち

 

2016年某日、我々は目黒の地に降り立った。(山手線で)

 

初冬の肌寒い季節ではあるが、天候は快晴。

太陽のやわらかな光が、私たち(主に私)のはやる心を落ち着けてくれる。

 

まるで我々の今日という日を祝福してくれているかのようである。

 

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太陽「おまいら、落ち着け。。」

 

 

目黒寄生虫館の開館時間は午前10時。

目黒駅からは徒歩10分程度だが、当然のごとく歩行距離・速度を計算し、開館時間ジャストナウに1番乗りすることを目論む。ふはは。

 

そして目黒の商店街メインストリートを直進すること数分、到着予定時刻に寸分の狂いも無く、件の館が目の前に姿を現したのである。

 

重厚でおどろおどろしい外壁(ただのコンクリ)、足を踏み入れた来訪者を二度と元の世界へは帰さんとする扉(ただの自動ドア)が我々を圧倒した。

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我々「普通だ。。」

 

 

だがここで、予想外の事態が発生したのである。

 

我々が寄生虫館の雰囲気に圧倒され身動きが取れない間(ただ写真を撮ってるだけ)に、なんと1人の可憐な女子(おなご)が我々よりも先に館の中へと入っていくではないか…!

 

私「何ィ!?」

 

い、いかん!寄生虫館の魔力に取り付かれておる!

このままでは魂を食われてしまう!

 

我々はそれを阻止すべく(先を越されて悔しいだけ)、急ぎ女子の後を追うのだった…。

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ものものしい扉(自動ドア)をくぐると、そこは静寂に包まれた空間だった。

あるのはただ響く足音だけ。(3人しかいないから)

係員、職員等の姿も見当たらない。

 

入り口左手の壁には、寄生虫館からの挨拶文が高々と掲げられ、右手にはコインロッカーが鎮座する。

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このコインロッカー、100円を入れて作動するのだが、

なんと荷物を取り出す際には100円がカムバックされるという親切設計。

これで来訪者の心を掴もうという魂胆だろうか。

 

写真撮影も個人での利用なら問題ないようだ。

 

そしてコインロッカーの横でひときわ存在感を示すのは、募金箱

館の運営維持のため、有志から募金を募っているのだ。

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そう、この寄生虫館は、入館料という名のみかじめ料を必要としない。

 

ある意味、この募金によって寄生虫館は支えられているということ。

 

「入館無料、撮影OK」という心意気に敬意を表し、

これは募金せねばなるまいよ…!

 

財布の小銭入れに残っていた、最後の円(小銭)を惜しげもなく箱へ投入。

私はこのような投資には対しては、一切出し惜しみをしない性分である。

 

嫁「いくら?」

私「…227円」

 

い、いや、ホントにこれしかなかったんだからねっ!

私は出し惜しみをしない性分なのである。

 

 

荷物も預け、募金も完了した。

もはや思い残すことはない。

さあ、寄生虫を拝もうではないか!

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全2階構成の館のうち、1階は動物に寄生する寄生虫がガラスケースの中で所狭しと、ホルマリン漬けになって陳列されている。

 

そこに並ぶのは、糸のような線虫やその卵、ルーペでないと見えないサイズの寄生虫、実際に寄生された動物のパーツなど、数々の標本たち。

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これはテンションが上がる。

 

エラに寄生されたサヨリ(魚)

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ブリに寄生する線虫

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吸血前と後のダニ

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ウマの内臓に寄生したハエの幼虫

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よく分からんニョロニョロたち

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目に寄生されたウミガメの頭部

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寄生されたあげく去勢されたカニ

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もはやそこには、「気色悪い」などという陳腐な感情は一切存在しない。

ただただ、そのパラサイトな世界に対する好奇心で私の心は満たされている。

 

嫁「う~ん、これキモイ~」

私「パシャ!パシャ!(すげぇ!寄生虫すげぇ!)」

嫁「なにコレ~」

私「パシャ!パシャ!(寄生虫ハァハァ!)」

 

 

傍から見れば完全に、

彼女をほっぽって自分の趣味に没頭するキモメンである。

だがそんなことがどうでもよくなるほど、寄生虫たちの放つ魅力はすさまじいのだ。

 

我々の次に入ってきた初老の紳士も、「心ここに在らず」という感じで恍惚とした表情を浮かべていた。(ように見えた気がしないでもない)

 

ついでに人。

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1階奥の階段を上ると、次はいよいよ人体に寄生する者たちのコーナーである。

 

ここでは人体に寄生して我々の体を蝕む可能性のある寄生虫たちが、実際の症例解説とともに並べられている。

 

小腸に寄生する回虫

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ポ○チンに寄生したバンクロフト糸状虫

(ちょっとだけモザイク加工済み)

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小腸に寄生するズビニ鉤虫

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そして寄生虫館最大の目玉、

全長8.8メートルの日本海裂頭条虫(サナダムシ)である。

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これが通称「うどん」とも呼ばれるウワサの巨大サナダムシだ。

 

こんな消火ホースのような虫がいることに驚きを隠せないが、こんなのが収納できる人体もスゴイと思うんだ。

 

⇨人体に害をなす危険な寄生虫ランキング!!

 

あと、寄生虫研究の文献とか偉いオッサンたちとか。

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そしてうれしいことに、ここにはミュージアムショップまで館内に併設されている。

各種寄生虫デザインのTシャツやポストカード、トートバッグやストラップといった可愛らしいアイテムが揃っているのだ。

 

もちろん我々も寄生虫館の維持・発展に協力すべく、Tシャツとポストカードをお買い上げ。

しめて5000円ちょっと。

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寄生虫とは思えぬほどポップで可愛らしいデザインである。

年甲斐もなく、嫁と2人でキャッキャしながら買い物をしてしまった。。

 

どこでTシャツを着るかだって?

寝間着だよ!!

 

 

ホントはもっとたくさん写真も撮ったんだけど、あんまりたくさん載せちゃうのもなんなのでこれくらいで。

 

なのでもっと見たい人はぜひ現地へ足を運ぶべし。

そして募金してくれw

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目黒寄生虫館はデートに使えるのか!?

 

で。

今回、嫁と寄生虫館に行ってみたことで、必然的にこれはデートということになる。

 

果たして寄生虫館が、世のカップルたちのデートスポットとしての地位を築くことは可能なのか。

 

うら若きカップルたちが寄生虫を眺めながら、

 

男「どうだい、このフタゴムシ」

女「わぁ〜、カワイイ(・∀・)」

 

なんてロマンスがあるだろうか。

 

8.8メートルの巨大なサナダムシを見ながら、

 

男「こいつをどう思う」

女「すごく…大きいです」

 

なんて会話が成立するだろうか。

 

だが、私は断言しよう。

デートに耐えうる場所であると。

 

現に、来客層を確認してみた。

訪問したのは土曜日だったのだが、思いのほか人が多いイメージだ。

 

訪問するまで、客層は男ばかりの男祭り状態だと思っていた。

さながら寄生虫メンズ館の様相を呈しているものだと。

 

だが、実態としては女子も多かったのだ。

お一人様女子、カップルなど女性率は低くなかった。

 

中にはパツキンのブロンド美女を従えた男までいる始末。

マジか。

「美女と野獣」ならぬ「美女と寄生虫」である。

 

これもディ○ニーあたりで放映される日が来るかもしれない。

 

てことで、

寄生虫をバックに自撮りするもよし、

誰も得しない寄生虫ウンチクを垂れ流すもよし、

おそろいの寄生虫グッズを身につけるもよし。

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うちの嫁も何だかんだ楽しんでいたようだ。

間違いない。

 

 

結論:

使える。

 

ていうか使え。

 

なお、寄生虫館を選択したことで破局を迎えたとしても、当方は一切関知しない。

 


 

はい、以上でした。

 

予想以上の収穫。

これは一見の価値ありである。

すっかり私の心も彼らに寄生されてしまったようだ。

 

ぜひとも、あなたの心にもパラサイト。

 

 

〜目黒寄生虫館〜

URL:http://www.kiseichu.org/Pages/default.aspx

開館時間:10:00〜17:00

休館日:月・火(祝日の場合は開館し、直近の平日に休館)・年末年始

住所:東京都目黒区下目黒4−1−1