こんにちは。
巷ではバイオハザードだの、なんとかオブ・ザ・デッドだの、ハロウィンだの、ゾンビものが流行っている。
「実際にはゾンビなんていないんだからね!わかってるんだから!」
的な感覚でパーリーピーポーたちはゾンビ遊びに興じているわけだが、
現実世界にだってゾンビは存在するのである。
そう、他者をまるでゾンビの如く抜け殻のようにし、意のまま操ることができる生物がいるのだ。
今回はそんなネクロマンサーのようなおそるべき寄生生物たちを紹介しよう!
他者をゾンビ化させる寄生生物たち!
ブードゥー・ワスプ
<出典:www.biolib.cz>
「ブードゥー教」とは、呪いやら「ゾンビパウダー」で死者を蘇らせるやらといった、日本人からするととってもハンパない宗教である。
そんな宗教の名を冠するハチは、その名に見合っただけの所業を行ってしまうのだ。
このハチは、イモムシの体内に自分の卵を数十個も産み付ける。
イモムシの体内で孵化したハチの幼虫は、イモムシの体を食べながら成長する。
だがあくまで「イモムシが死なない程度に」である。
成長したハチの幼虫はイモムシの体内から出てきて、すぐにサナギになる。
ホントならここでイモムシは用済みのハズなのだが、
なぜかイモムシはそのままそこに佇んだままなのだ。
それどころか、ハチのサナギを食べようと近づく虫を追い払うような行動をするのである。
イモムシ「ふおおおおぉぉぉ!!」
イモムシがオロチの血に目覚めたのか、ベガに洗脳されたかのように荒ぶっている。
体をエサにされるだけでなく、さらにサナギのボディーガードまでされられるという悪魔の所業。
空になったはずのイモムシをどうやってコントロールしてるのか?
実はイモムシの体内にはハチの幼虫が何匹か残っていて、彼らがイモムシを操っているのかもしれないらしい。
イモムシ「ハハハ、中の人なんていませんよw」
ディクロコエリウム(槍型吸虫)
<出典:Wikipedia>
アリに寄生し、意のままに操る寄生虫。
ウシとかヤギの腹の中で卵を産み、ウンコといっしょに排泄。
ウンコに混じった卵をカタツムリが食べ、カタツムリの中で孵化する。
そしてカタツムリが通ったあとに残る粘液をアリが食べ、アリの体内へ移動するのだ。
アリの体内に侵入したディクロコエリウムは、宿主のアリをマインドコントロールする。
アリを草の先っちょへ移動させ、そのままそこで停止させる。
アリは何かに取り憑かれたかのように、いや実際取り憑かれてるんだけど、草の先端から動こうとしないのだ。
<出典:http://world-fusigi.net/archives/4540730.html>
アリ「し〜ん…」
やがて、ウシやヤギがその草を食べ始める…。
アリはそのまま動かないんで、草ごとウシに食べられ、絶命。
そしてディクロコエリウムは再びウシの腹の中で卵を産むのである。
そう、アリはディクロコエリウムが産卵する場所へ向かうためのタクシーの如く、コントロールされてしまったのだ。
しかもタダ乗りで。
アリタケ
<出典:livedoor Blog>
その名の通り、アリに寄生するキノコ。
いわゆる「冬虫夏草」っていうのの一種だろうか。
アリに感染したキノコ菌は、養分をアリから吸収すると同時にアリの脳も体も乗っ取る。
アリは自然と、キノコが生えるのに適した環境の場所へ移動を始めるのだ。
ちょうどいい場所を見つけたら、そのままアリはそこで絶命する。
そしてあとはアリの亡骸を苗床にして、キノコが生えてきて胞子を飛ばすのである。
レウコクロリディウム
<出典:http://insect.nanapipi.com/entry14.html>
こちらはカタツムリに寄生し、ゾンビのように操る寄生虫。
鳥の体内で卵を産んだ寄生虫は、ウンコといっしょに卵を外へ。
そのウンコをカタツムリがもしゃり。。
カタツムリの体内で孵化した寄生虫は、そのままなぜかカタツムリの目玉へ移動する。
この時点でカタツムリの体は乗っ取られており、本来なら嫌いなはずの太陽の光が当たる開けた場所へ向かう。
そして、レウコクロリディウムはカタツムリの目の中で激しく体を動かし、体の模様をまるでイモムシのように波打たせるのだ。
テラキモス。
もう一度言うが、テラキモスである。
こうして隠れる場所のないところで、派手な動きをすれば当然捕食者に見つかりやすい。
しかもイモムシのような動きをしてるわけで、カタツムリなんか食べないはずの鳥が誤食すればミッションコンプ。
再び鳥の体内で卵を産むことができるというわけである。
バキュロウイルス
<出典:http://column.odokon.org/2012/0626_210300.php>
またもイモムシが犠牲に。。
今度はウイルスである。
このウイルスに感染したイモムシは、見た目には普通のイモムシと何ら変わりは無い。
見た目も行動も、健常なヤツと区別はつかないのだ。
だがしかし、確実にウイルスの魔の手はイモムシの体を蝕んでいた…。
感染されたイモムシは、実は脱皮が出来なくなっている。
そしてイモムシは木の枝を上の方に登り、樹上でエサを食べ続けるのだ。
イモムシからしたら、
「変だなーエサ食べてるのになー。
いやだなー怖いな怖いなー。。」
である。
いくら食べても脱皮ができない、そしてサナギにもなれない哀れなイモムシ。
やがてウイルスが体内で増殖し、体は衰弱していく。
それでもイモムシは樹上に留まり続け、そしてあえなく死を迎える。
その後ウイルスは何と、イモムシの亡骸をドロドロに溶かし始めるのだ。
<出典:http://umafan.blog72.fc2.com/blog-entry-856.html>
どろ〜ん…
液体のようにドロドロになった死骸は枝や葉っぱを伝って滴り落ちていく。
そして下にいる健常なイモムシがそのドロドロに浸された葉っぱを食べることで、ウイルスが感染していくというシステムである。
次ページ、アリの頭が首チョンパ!?