こんにちは。
この世に唸るほどの種類が存在する虫。
地球は虫たちに席巻されていると言っても過言ではない。
だがしかし、「虫」というその曖昧な単語に違和感を覚える者たちが現れた。
一体、虫とはどこからどこまでを指し、「昆虫」とは何が違うのかと。
思い出して欲しい。
我々は幼い頃、カタツムリのことを「でんでん虫」と教わった。
果たしてこれは真実なのか。
我々は何かとてつもない捏造、いや、もっと恐ろしい陰謀に巻き込まれているのではないのか。
今、過去の呪縛が闇のヴェールとともに解き明かされる…！！（適当）
昆虫と虫の違いとは！？
「昆虫」と「虫」。
ややもすればそれは同一のものとして扱われることもあるが、これらは完全に似て非なるものである。
生物学的な違いは、
昆虫：「節足動物門汎甲殻類六脚亜門昆虫網」というナゾの暗号の如き分類に属する生物のこと。
虫：人、獣、鳥、魚以外の小動物のこと。
という感じである。
昆虫は明確に分類されているのに対して、虫の曖昧なことよ。
イメージ的にはでっかい「虫」っていうくくりがあって、その中の一部に「昆虫」っていう分類に属する生物がいる感じ。
ていうか、さっきの範囲だと爬虫類は虫になってしまうではないか。
そこいらのヘビもトカゲも、カメレオンやカメですら虫と申すか、お主。
虫と申すか！
でもそれもあながち間違ってなくて。
かつてはヘビも「長虫」とかいって虫扱いされていた。
そもそも「虫」っていう漢字の起源はヘビを形どった象形文字らしいからね。
さらにもともとはエビとかカニまで虫扱いをされていたらしい。
まあ何にせよ、「虫」の定義ははかなり曖昧で適当なのである。
こう、人間だって何かクソみたいな奴のことを「このクソムシが！」とか言ったりするでしょ？
そういうことだよ、きっと。
「昆虫」の定義
そんで。
虫とは対照的に、分類上明確にされている「昆虫」であるが、要するにどんな虫なのかと。
なんだよ「節足動物門汎甲殻類六脚亜門昆虫網」って。
バカにしてんのか。
昆虫の特徴をもう少しわかりやすく並べると、
・足が６本。
・体が「頭部」「胸部」「腹部」の３つに分かれる。
・多くが羽を持っていて飛べる。
・キチン質でできた硬い外骨格を持つ。
・血管は退化して、体内に体液が充満している。
・１対の触角を持つ。
・単眼と複眼を持つ。
・「気管」ていう呼吸器官を持つ。
といったような特徴がある。
もちろん例外あるけど。
カンタンな見た目で言うと、
「頭と胴と腹の３つに区別できて、足が６本ある虫」
が昆虫である。
アリ、ハチ、チョウ、バッタ、アメンボ、ハエ、カ、カブトムシ、トンボ、カマキリなどなど、みな昆虫。
この地球上において、ぶっちぎりで種類が多く、８０万種類以上が確認されている。
「全生物の半分以上が昆虫」と言えるほどに繁栄しているのだ。
この世はまさに昆虫王国。
陸にも川にも海にも、ありとあらゆる場所に生息する多様性に満ち溢れた生物が昆虫なのである。
クモ、ムカデ、カタツムリなんかは？
「昆虫」の定義が確認できたところで、気になるあの生物たちを見ていこう。
クモ
見た目はなんとなく昆虫っぽいかもだけど、足が８本あるからダメ。
こいつは「虫」だ。
ムカデ
見るからにもう全然ダメ。
こいつは「多足類」っていう虫。
ダンゴムシ
名前に「虫」ってついてるしね。
足がいっぱいある時点でもうダメだ。
カタツムリ
僕らの思い出「でんでん虫」は…。
貝の仲間なので、軟体動物である。
「虫」に含まれるかどうかはグレー。
というか昔は虫だった。
と、このように見た目でほとんど昆虫かどうか区別できるのである。
昆虫の変態
そしてここで問題となるのが、
「チョウとかガの幼虫は全然昆虫の形してねーじゃん」
というものである。
確かにあのイモムシ形態を見ただけでは、昆虫とは判断できない。
だが成虫のあの姿が昆虫なので、ヤツらは昆虫でいいのである。
幼虫からサナギを経て成虫になることを「完全変態」と呼ぶ。
大体はどっからどう見ても違う生き物になる。
完全変態の軌跡↓
他にもサナギにならない「不完全変態」、生活環境の変化で形状が変わる「過変態」、変態をしない「無変態」とかって形態がある。
ちなみに人間の変態のことを「ド変態」と呼ぶ。
はい、以上でした。
さあ、ここまで読んだあなたはもう立派な変態虫・昆虫見分け職人だ。
みんなの前で「節足動物門汎甲殻類六脚亜門昆虫網！！」と声高らかに雄叫びを上げたその日のうちに、友達を無くすこと請け合いである。
